2014年を振り返って

忘れる前に振り返っておこうと思ったんですがあまりにも記憶が散り散りで自分でもちょっとびっくりしました。

■月ごとの記憶
□春~夏
増税前にBD箱を買ったギアスにフォオオってなってました。たしか。
元々ギアスに興味を持ったきっかけは「フレユリ!」とはしゃいでいたところに「ちょっとギアスのスザルルに似てるよね」などと誰かに言われた気がするのが発端です。なるほど似てました。
スザルルはフレユリよりも若いくせにスケールがでかいなあとか、アナーキストの見栄っ張り度が段違いだなとか、もちろん数えきれないほどの似て非なる点もあったのですが、「人々が生きるための社会の形」が今のままではいけないと思っている点、秩序の中でルールを守ることで弱者を守れると信じる一人と、ルールが守らなかった、守れなかった弱者の立場を作ろうとする一人と……という対立と協力を巡る葛藤が似てました。

しばらくスザルルを読みあさっていたのですが、現実の歴史との分岐点について調べたり、どう考えてもシナリオの都合のために一部のキャラのIQが時々突然奪われてるよな……と思ってしまったりしているうちにふらっとハリポタに吸い込まれていました。

□夏~冬
USJのCMか何かを見たのと「(ギアスのことでイギリスの歴史を調べてたけど)そういえばハリポタもイギリスの話よね」ということでハリポタが再燃し、14年以上ずっとファンでいたにも関わらず初めて(?!)ハリポタのfanficを漁ることになったのです……。
(厳密に何年ファンだったかもう思い出せないんですが、私とハリポタの歴史はGoFの刊行をリアタイで喜んでたような頃から続いてるので。まあ14年以上ということで。)
最初は(新しいジャンルにはまった時の反射的な行動としていつもどおり)日本語の二次創作を読もうとしたんですが、日本語だとキャラクターや呪文をはじめとした固有名詞が全部めちゃくちゃにしか思えないと気づいて人生で初めて英語の二次創作物を検索することになりまして。

(以下しばらくカルチャーショックを味わったよという話)
slashがBLのことらしいというのはしばらくして把握できて、じゃあfemslashはGL?というところまでは簡単だったんですが、hetがNL(ヘテロ)でgenがどうやらカプ無しってことらしい…?というのはだいぶかかりました。作品の状態についてもWIPだのHIATUSだのあるし、ANがAuthor Noteの略であると気づくまでもしばらくかかりまして……どの言語でも二次創作者たちには独特の用語があるのだなとしみじみ実感しました。難しい。
いま自分が「当然わかる」と思っている用語だって最初はこうやって全然わからなかったんだと思うと感慨深いなあとも。
日本語だと「スザルル」と「ルルスザ」だと天と地ほども違うわけですが、英語だと案外書く順番を気にしないらしい…?というのも今のところ小さな発見です。
半年かかって把握した「わかんねーよ!」となった用語は「SI=Self Insert」です。日本語でいうところの「読者=キャラ」型の夢小説(ただし名前は変換できない)みたいな感じのジャンルのようです。そう、名前変換小説はいまのところひとつも見かけてません。文化の違い?
読者扱いじゃないオリキャラは普通にOCと呼ぶらしく、カプ表記でHP/OFCやHP/OMCなどと性別込で書かれているのを見かけます。
原作とどこかで歴史が分岐したタイプのifもの、原作の設定を大幅に改変しまくっていて明確な分岐点があるわけでもない別解釈もの、別作品のパロもの、平行世界もの、世界線ジャンプもの……が全部ひっくるめてAU(Alternate Universe)と呼ばれているのは正直かんべんしてくれ選り分けるの大変だろうって思ってしまいます。

あと本当に些細な事ですがHPに限った話だと各巻タイトルの略字呼びは慣れるまでちょっとかかりました。
1巻がPS/SS(これは大西洋のどっち側の住人かによる)、2巻がCoS、3巻がPoA、4巻がGoF、5巻がOotP、6巻がHBP、7巻がDH……となるわけですが、そういう風に書かれてるところは初めて見たもので。
(カルチャーショックのはなしここまで)

そんなわけで、ハリポタです。
たぶんDHが出た直後から原作は一度も通して読み返してないんですが、びっくりするほど何も忘れてませんでした。だいたいなにを読んでも「え、こんなことあったっけ」とはならずにすみました。文字通りページに穴が空くほど読んでて本当によかった。
fanfiction.netでハリポタカテゴリにあってクロスオーバーじゃなくて苦手なカプじゃなさそうな説明のものはかたっぱしから読んだ……といっても過言じゃない状態なのですが、未だに読み終わりません。さすがのハリポタで、さすがのインターネットで、さすがすぎる英語圏だなあとしみじみ思いました。まだしばらくこの沼からは抜けられそうにないです。
redditのHPfanfictionの監視まで始めたので本当に我ながらどっぷりすぎて笑います。

※11月にΩrαsとかssq2とか出たので二週間くらいfanfic漬けの状態から脱するものの、ssq2発売直前にαsがカイオーガ捕獲までしか進んでなかったのでそこで積んで、発売してやるぞーと思ったssq2のカセットが不調なのでやる気が削がれて結局ほとんどゲームしてないです……。

■好きな歌3つ
heavenly blue Kalafina
アルドノアゼロのOP、アニメはこれからどうなるの?!という感じでしたがこの歌は本当によいものです。
「古いインクで紙に書いた祈りのよう」のあたりが本当に好きです。

Continued story Hitomi
コードギアスのラストで流れる挿入歌というかBGMというか。
ギアスに限らず、タイトルらしくすべての「物語のその後」にぴったりなのでどんな作品のことを考えていてもこれが流れるとぶわっと来ます。

Courage 戸松遥
SAO2期の後半OP、マザーズ・ロザリオ編では特に「君が描いた未来の世界は」というフレーズが涙腺を全力で刺激してきました。

■好きなインスト曲3つ
Madder sky (コードギアス反逆のルルーシュ)
箱版じゃなくてオリジナル版の例の場面で流れるのが……思い出す度に泣きそうになります。

BRYNHILDR IN THE DARKNESS -Ver. EJECTED- (極黒のブリュンヒルデ)
OPがインストってどういうことなんだってばよと最初は思ってました。
かっこいいからありだと思いました。最終的には後半OPになってからもこっちに戻してほしいくらい好きになりましたね。

3つ目が思いつかなかったという。1月になったらssq2のサントラが出るのできっと来年はあるでしょう。

■今年あたらしく好きになったキャラクター3人
とりあえず名前を書いた時点でずいぶん物騒な三人だな……と苦笑いしています。
みんな突出した才能を持っていて、その人生のどこかで「一般的な善悪」に照らし合わせると間違いなく悪とされることを故意に行っているので。

ルルーシュ コードギアス
妹が怯えずに暮らせる世界を実現するべく世界征服に乗り出した超絶シスコン野郎にして稀代のテロリストかつ元皇子という属性盛りすぎな美人さん。……まあ私がはまらないわけないですよね。
ギアスを実際に見る前から「ルル一周忌絵」がpixivのランキングに上がっているのを目撃していたりしたので死ぬらしいということだけ知った上でギアスを見たのですが、死ぬとわかっていてもどうしようもなく幸せを願わずにはいられない、報われてほしいと心の底から思ってしまいました。
素直に最終話を解釈するなら死んだものと思うべきだとは思いますが、私はコード持ちの不死者説を支持しています。
自分の信じた正しい世界のためにあらゆる人・状況を駒として利用して戦い抜いた末に、彼は”悪逆皇帝”もまたひとつの駒として「理想のうつくしい世界」の犠牲にしたのだと私は思いたいのです。

ジルグ ブレイクブレイド
天才操縦士と謳われていながら、訓練中に涼しい顔で味方を殺して投獄され、戦況の都合によって前線に引っぱり出され……という経歴からしてもう。はまるしかなかったのです。
あと鳥海さんで………はい……。
歳相応の態度と「味方殺しの狂気の天才」らしい態度のバランスがよかったなあと思います。
最終的には他人の身代わりとして処刑されて、約束を果たせないまま冷たい遺体だけ国に帰るというのが本当にやるせなかったです。
キャラクターそのものと同じくらい、「彼がいたこと」「彼がいなかったこと」による周囲への影響が好きでした。

Tom Marvolo Riddle ハリーポッター
aka Lord Voldemort……ですが私は原作の4-7巻でハリーを追い回す狂気の魔法使いをTom Riddleとして認めないので。
そもそも私達読者は本物の生前のTom Riddleに接する機会は一度もなくて、一番近いのがHBP中に校長が見せてくれる記憶なわけですが、ここで「どの記憶を我々(とハリー)が見るかを決めているのは校長であること」ことを念頭に置くと、「ハリーが何が何でも殺さねばならぬ残酷な異常者」である証拠集めをするのは当然で、Dumbledore以外の教員全員のお気に入りだった素晴らしい生徒の証拠集めなんてするわけがなくて。
CoSでGinnyを憑き殺そうとしていた16歳のRiddleは既に十分な破綻者だったと言う人もいるかもしれませんが、削ぎ落とされ日記に閉じ込められ50年も孤独に過ごしてきた魂の断片がオリジナルが16歳だった時と等しい存在とは思えません。
父の骨とハリーの血を使って蘇生して以後のVoldemortはお世辞にも正気とは思えない行動ばかりです。はっきり言ってしまえば作中一番あたまいいなー!と思われる部分は日記がハリーを誘い出した部分で、つまり”本体”ではなく欠片のやったことです。
13年も悪霊として身体を失って現世をさまよっていたわけですから、そりゃあ正気じゃなくても仕方なかろうと。いくら70年生きていようと13年は長いと思います。蘇生以後の彼はもはやTom Riddleの残像としか言えないのではなかろうかと思っています。
つまり。
私が思うに、我々は1981年のハロウィンに自分の放った呪いを返されて”死んだ”Riddleが本当はどういう人だったのか、全く知らないのではないでしょうか。
知らなくても状況からいろいろな想像はできます。
孤児院で世話役にも他の孤児たちにも嫌われて育って、「自分は魔法使いで、自分を嫌っている連中はそうじゃない、自分には優れている点がある」と知ってそれを拠り所にする11歳の少年を。
やっと自分と同じひとびとの世界が、自分の本来の居場所があるとわかったものの、muggleborn(推定)であるがために金持ちのPureblood連中から不当に見下され、希望を打ち砕かれる12歳の少年を。
夏ごとに第二次大戦中のロンドンにある孤児院に戻り、空襲に怯える13歳の少年を。
「自分は偉大な創設者の子孫で、ただの優秀なmudbloodじゃないから、自分をバカにしてきたpurebloodどもの価値観で実際は自分のほうが上だった」と知ってざまあみろと思う16歳の少年を。
Slytherinの末裔が、母の家族がどういう人たちかLittle Hangletonを訪ねてあまりのみすぼらしさに愕然とする彼を。丘の向こうの金持ちなMuggleが自分の父だという証拠を掴むものの、もはや父の存在を喜ぶ段階はとうに通りすぎてしまった彼を。初めて自分の言葉で人を殺した彼を。
そこからは、どの時点で彼が致命的に取り返しの付かない壊れ方をしてしまったのか、古いPurebloodの跡継ぎたちを従えながら最終的には気に食わないというだけで誰であろうと構わず痛めつけて殺す狂人になってしまったのかは、あまりにもたくさんの可能性がありすぎて絞れないわけですが。ここまでは、父親殺しに手を染めた時点までは、残酷な精神病質の異常者じゃなくて、ただ社会のしわ寄せを受け続けた少年の怒りとして理解できると私は思うのです。(しかし残念ながら、たとえ値段の付けられないほどの宝物とはいえ、ロケットとカップを盗むために老婦人を殺害したのはもう「ちょっとよくわからない」の領域に片足を突っ込んでいるなあと思います)(殺してわりとすぐ国外脱出してるっぽいのが特に自白してるも同然だと思うので……)

原作の「世界征服と非魔法使いの殲滅を目論む邪悪な狂人」という型通りで底の浅い悪人ではなく、等身大の少年として生きて、等身大の青年として生きて、その生涯の末に他人の生死がどうでもよくなった残酷な独裁者として捉えると、びっくりするほど深みのあるキャラクターだなと思います。
これまでにたくさんの人達がRiddleを理解しようと過去エピソードを書いたり、Riddleを救おうとタイムトラベラーや世界線を越えた誰かを送り込んだり、どこかで原作と違う決断をさせていたり、本当にあの手この手でTom Riddleというキャラクターについて本気を出して考えている様子がfanfictionの形だけでも本当にたくさん残されていますが、それだけ探り甲斐のあるキャラクターだと私も思います。
(もちろん、Riddleについて深く考えた作品と同じか、もしかしたらそれよりも多く、原作通りの死と痛みをもたらすこの世すべての悪の象徴扱いの作品もあるわけですが)

この振り返り記事を書いている今も一番どっぷりはまっているのがTom Riddleなせいで長くなりましたが本当にいいキャラだと思ってます、ということが言いたかったのです……。

■2014年の反省
1月に「書くよ」と妹に約束した文章を未だに書いていません。
アニメを録りっぱなしにして見ないで積む悪癖を身につけてしまいました。
ラノベも「あとで読もう」と枕元に積んで実際には寝る前もお布団インターネットして文庫本には手を付けないままという悪癖も獲得してしまいました。
さすがに買ったゲームをクリアせずに積むのは我ながらないわと思います。
全体的にあらゆることを積み過ぎました。

■2015年はどうしたいかという話
fanficを読むこととラノベを読むこと、アニメを見ること、ゲームをすることをバランスよく行えるようにしたいです。
………こう、何かにはまると他のものが一切目に入らなくなるのはさすがにいくらなんでもまずいなと。
せめておたく活動くらいバランスを保たねばそのうち本当に寝食を忘れそうで怖い。

Share Your Thought