アメリカに行ってきた(全体の流れ)

すごい、前の記事がイタリア旅行で、これではまるで立て続けに海外旅行しまくってる人みたいですね!
今回は「昔住んでいた街を妹(そこで生まれたけど全然覚えていない)に見せよう」「オマケでやっぱり昔家族で旅行した地域を今度は妹も覚えられるように旅行しよう」というコンセプト。
写真を3000枚近く撮っていて全く整理が進まないので記憶がダメになる前にとりあえず日記に備忘録を。

追記:あまりにも長くなっているので、こちらには主に手配したこととか気になったこととか書いてます。
観光した~という感じの記事は別に書きます。

■日程
12日の昼過ぎに成田を出て、23日の昼過ぎに成田に帰ってきました。時差マジックで現地の体感時間としては12日夜に着いて22日早朝に出発した感じ。
行き先はオハイオ州の某都市(ぼかす意味もないけど別に観光地でもなんでもない)、およびユタ州のソルトレークシティーからネヴァダ州ラスベガスまでにかけての一帯、という旅行中もタイムゾーンが変わるダイナミックな範囲でした。
ロングフライト案外大丈夫じゃない?と前回イタリアに行って思ったものの、気のせいでなければこっちの方が遠くて飛行機はしんどかったです。

■意外と苦労したこと
家の中で一番英語の読み書き速いでしょうという理由で(みんな英語できるのに!)私が調べたり手配したりする係になってしまったのですが、一番「これで大丈夫なの?」となったのがアメリカ生まれでアメリカ国籍も持っている妹って何か気をつけることあるの?という点でした。
荷物の大きさや重さの規定とかは読んでメモすればいいし、日本国籍の人間がアメリカに入るためのESTAの申請とかも眠そうな父親を捕まえて「何市で生まれたか教えろください」するのがやや面倒だったりした程度でさほど難しくないし、国立公園の工事情報とかもぐぐればすぐわかるので、昔の家族旅行を手配するために旅行社に電話をかけまくってた母の苦労話に比べると本当に楽なんですが、こればっかりは本当にどうすればいいのか分からなくて。
二重国籍の方に聞いてみたり、アメリカ大使館のFAQを隅から隅まで読んだり、どうやら日本パスポートとアメリカパスポートを両方持っていけば良いらしいと分かったものの、もし何か問題があって一人だけ別行動中に難しい質問をされたりしやしないかと。

実際、結局はなにも問題なく出入国できたんですが、最初に成田で自動チェックインの機械をぽちぽちやっていて「ESTAしました?」みたいなところで(アメリカ国民はESTAしないんで)「いいえ」を押したら「ちゃんとしてください」みたいなエラーで吐き出されてしまってカウンターで手動チェックインをしてもらう必要があったり、ヒューストンの入国審査で当然妹だけ別のエリアを通らないといけなくて、ただ税関の申請書は家族に一枚だったから妹は持っていなくて(父が持っていた)、私達の方が時間がかかったから一人で待たせることになったり……と細々した不都合はありました。

■フライト
手配し始めたのがとても遅くて(GW頃だったので残り3ヶ月を切りそうだった)、空席や変則的な旅程との兼ね合いで飛行機はほとんどユナイテッドに。
そう、例の「ベトナム系アメリカ人医師を無理やり引きずり下ろす」「ヴェネチア空港で翼から燃料漏れを起こしているところを客に発見された」「何故かTSAがコミックブックをチェックイン禁止荷物に指定したと虚偽の発表をしてコンベンション帰りの乗客を混乱に陥れる」などなど悪評を広め続けるユナイテッド!
アメリカに6年暮らしていた間は全然乗ってなかった(ような気がする)ユナイテッド!最悪の場合、アメリカ国民な妹はともかくとして両親や私はリピーターじゃない外国人だからオーバーブッキングで搭乗拒否されるんじゃないかと怯えながら乗ったユナイテッドです!
結論からいうと全くなんの問題もありませんでした。さすがにあれから改善されてるのかな……?
途中、オハイオからSLCに飛ぶ時だけはデルタでした。(地域柄なのか昔はいつもデルタで、私が小学生女児だった頃は羽の形のバッジなど乗る時によくくれていたため、とても好印象なのです。)

うちの街への直行便はないので(だからとても苦労したとも)、行きはヒューストンで乗り換えがありました。最近大雨と洪水で話題のヒューストンです。私達が離着陸する時点でなんか住宅地茶色くない??と思っていたので、きっと今の水が引いた後ももっと茶色くなるのでしょう。
途中のSLCへは直行便で。帰りのラスベガスからも直行便ではなくサンフランシスコ経由でした。

ユナイテッドでウーンと思う点があるとしたら一つ。機内食がおいしくない……。いえ、まあそもそも機内食なんてどの航空会社でもエコノミーはみんなそんなおいしくないでしょうって思うんですが(ビジネスとか乗ったこと無いんでもしかしたら上のクラスでもおいしくないのかもしれないけれど)、大味な「はい果物ドーン」「パンですドーン」「メインディッシュどーん」みたいな……こう。
テリヤキチキンとかオヤコドンとか肉っぽい方を選んでメインだけ食べるような感じですみません。
あと機内の飲みものにゆずとかかぼすとかの柑橘系のジュースがあるJALやANAが私はすきなのだと……思い知りました……。

■各空港について
前回は羽田だったので成田は地味に久しぶりで、到着ロビーなら妹の短期留学の時に迎えに行ったけれど出発側は……もしかしたら2005年の春ぶりかもしれない?という感じでした。
出国前にあるだし茶漬けえんでお昼を食べたのが予想以上においしくてよかったです。あと直ぐ側にあった和菓子屋さんで親が知り合いへのお土産を調達していて、なかなか手際よく準備できたのがとても良かったかと。

入国審査からの乗継便なヒューストンは今回初めて……だったはずです。私の知る限りでは。
機体から出た瞬間、屋内に入るまでの乾燥した熱気がうわーさすが南部といった感じでした。
入国審査は思いの外さくさくで、「日本から着たのー東京?いいねー」といった軽いノリでした。ただ両目の虹彩と両手の指の指紋を全部撮られたので、昔とは随分変わったなあと親が言ってました。(2000年の夏に帰国していたので9.11後のアメリカに来るのは初めて)
私はなにも悪いことはしていないし、万一私の名前や顔を騙ってアメリカで悪さをしようとする人がいた場合に指紋等が違って取り締まられると考えると、善良な一般市民にとっては悪い話ではないかなとも思いますが、戦時中に日系移民を強制収容した国で現在もムスリムを登録させよう~みたいな動きがあるとかないとか、みたいな情勢まで考慮すると白人以外には良い話でもないのかなと考え込んでしまったりも。ぐるぐるします。

昔はちょっと遠くに家族旅行するとなったら飛行機だったわけで、デルタによく乗っていた~と覚えている程度には使っていたはずなのに、さすがに17年前に出発したきり一度も見ていなかったうちの街の空港は全然覚えていませんでした。
思ったより広かったし、思ったより立派でした。なんとなく片田舎なイメージがあったので(ひどい)「……こんなんだったっけ?」って私は目を白黒してしまいました。

ソルトレークシティは上空からの景色を見ていたら「なんか昔ここ来なかったっけ」という気がしていたところ、親に聞いたらやっぱり昔、イエローストーンに行くためにデンバー行きに乗り換えたことがあったらしく、いつも通過点でしかないかわいそうな街だなあって思いました。
うちの街は上空から見ても青々とした緑に囲まれていたのに対して、SLCの周りは茶色い大地と不規則な塩湖、そしてちょっと離れて山脈が~といった感じのいかにもアメリカ西部の厳しい大地感のある景色でした。
ちょうど21日に皆既日食がある都合で(その地域に向かう人が多くて)空港がとても混み合っていました。

ラスベガスの空港では出国審査を……たしかしたような……それともサンフランシスコだったかもしれませんが……保安検査はヒューストンでの入国時より厳しくて、靴まで手荷物と一緒にX線検査にかけられ、同性の検査官がボディチェックを入念にしていました。正直フランクフルトより厳しいのでは?という気が。
ただ、係員の一人が(見ただけで日本人だと察したのか)日本語で声をかけてくれて、「意外!こんなところに日本語話者が!?」と思いつつ名札をちらりと拝見したら日本風な名字が見えたので、日系の方だったのかもしれません。英語で全然大丈夫です!と思ってても不意に日本語で話しかけられるとあわわわありがとうございますお気遣いどうも……って気持ちになりますね。

最後に乗り換えたサンフランシスコではお腹が空いていたので空港内の売店でサンドイッチを買って食べました。最初は「サンドイッチ……」とほしがる私に父は「えー高いじゃん機内食でよくない」って感じだったんですが、妹とはんぶんこしてやっと食べ切れるサイズなのに気づいて買ってくれました。おいしかったです。

全体的にどこの空港でもなんですが、搭乗ゲートのそばにちょいちょい電源タップやUSB給電コーナーなどがあったり、空港内無料wi-fiがあったり、昔は無かったであろう設備がよく整っていてありがたかったです。

■現地での移動
ずばり、レンタカーです。私は一秒たりとも運転しませんでしたが。だって日本でペーパードライバーの人間をいきなりアメリカで運転させようとはさすがに親も思わない。
オハイオのうちの街とか当然田舎なのでレンタカーしか移動手段なんてないし、SLC-LAS間なんて携帯の電波すら通じないような”the middle of nowhere”という表現がぴったりの荒野に道がドーンみたいなところなので、当然レンタカーしか移動手段なんてありません。なので、レンタカー。
昔から運転を任されてきた父が今回もロングロングドライブの運転手ということで予定を立てていたものの、もしも父が急に体調が悪くなったりした場合に備えて、私と母も念のために国際運転免許は取っていきました。府中に写真とお金とパスポート持ってけばすぐ出してもらえるのでそう手間でもないですし。幸い使うことはありませんでしたが。妹は25歳未満なのでレンタカーを貸してもらえない/運転させてもらえない年齢の都合でなしで。
車種は父からの指定で田舎はミニバン、荒野ではSUVという感じで申込んだところ、特に問題ありませんでした。

この「現地での移動は絶対にレンタカーじゃないと無理」というのがあったため、運転する父の体力や妹のスケジュール的に今年がもう限界じゃないかということで強行した旅行でもありました。
最初は「運転しやすいやろ」みたいな態度だった父ですが、最終的には「うちの街でも道は変わってるわ、西部では天気が急変したし、かなり運転大変だった……とても試しに代わってみろって感じじゃなかったな」と神妙な顔になっていたり、最終日はぐったりしていた様子だったので、やっぱり今年いってよかったと思いました。
ハードなレンタカーの旅がいやな人はツアーにでも申し込むしかないんだろうなと思うと、運転してくれて本当によかったです。

■滞在先
宿全てでベッド2つの部屋を2つとりました。親が1部屋、私と妹で1部屋。それでも結構狭かったので、母の「1ベッドに2人寝られるなら1部屋で良いのでは?」という主張にもし折れていたら大変でした……。
到着日:Holiday Inn Cincinnati Airport…到着時間が22時とかになってしまうので、空港からの近さで選びましたが案外よいところでした。フロントも親切で、ロビーも綺麗で。朝ごはんが美味しかったです。
街(2泊):Comfort Inn Northeast…見たい地域への交通の便や、そばにごはん食べられるところが結構あったはずだという親の記憶で選びました。申し訳ないけれどとてもしょぼかった……朝ごはんは微妙(ワッフルメーカーは許せた)、狭い。レンジがあったのは便利。
移動前夜:Country Inn & Suites…次の日の出発時間が朝ごはんよりもはやいとかそういうレベルだったので空港の側に前泊。居間っぽい空間とベッドのある空間が分割されていて広々と荷造りできたのがとてもよかったです。
Moab:Fairfield Inn & Suites Moab…街のおすすめごはん処メモみたいなのをくれたり、わりと快適だったのでよい宿でした。コネクティングで便利だった。
Kayenta:Hampton Inn Kayenta…宿の中にレストランがあって、珍しく父がお酒を飲んでも飲酒運転にならない=飲んでも良い立地だったにも関わらず、ナバホ領内のためアルコールは提供されていませんでした。感じの良い宿でした。
Page:Lake Powell Resorts…厳密にはPageの街からちょっと離れて、パウエル湖の湖畔にある国立公園内のホテルでした。部屋そのものからは駐車場が見えるだけで別段眺めが良いわけではありませんでしたが、コネクティングで助かりました。宿からボートツアーが出ていて気軽に行けたり、ご飯の選択肢がいくらかあったり、売店が見ていて楽しかったりでとてもよかったです。
Tusayan:Holiday Inn Express & Suites Grand Canyon…園内でとれたら良かったのですが、さすがに時期的に無理でした(1年前から手配しましょう)。それでもがんばれば朝日を見に行けるくらいの隣町なので悪い宿ではないかと。小さな町に観光客がみっちりいて、おすすめごはんメモをもらったのに食べるのにえらく苦労した。部屋がコネクティングで助かりました。
ラスベガス(2泊):Paris hotel…レンタカーをホテルで返せるというのが、400km以上運転した後に「ホテルに荷物と人間を落とす→レンタカー屋まで返しに行く→タクシーで宿まで戻る」をこなすのは酷でしょという状況にとても魅力的だったので、Hertzの返却対応ホテルのうち値段と内容と立地のバランスを考えてここになりました。夜ついて次の日の早朝に出発するんじゃどう考えても飛行機でダウンするでしょということで1日ぐったりできるように2泊にしましたが、本当にそうして正解でした。入り口すぐのカジノがうるさかったり、宿全体が繁華街みたいな雰囲気でちょっとあまり好きになれなかったものの、フランス風バフェはわりと美味しかったです。

■通信手段
海外パケホみたいなのは割高で、SIMロック解除できていない/できるかすら分からない端末を両親が持っているため、データ通信面はレンタルwi-fi(と、なるべくwi-fi無料の宿を選んでいるので補助としてそれも)、電話をかけられないと困るかもしれない(たとえば荒野で遭難して救助を要請するとか、事故って911するとか)からSIMロック解除済みの私か妹に1枚安めのプリペイドSIM挿せばいいよね、ウォールマートで売ってるみたいだし、みたいな予定でした。
……予定では。
成田で借りたグローバルwi-fiがヒューストンで電源が入らず、サポートのskypeはどういうわけかこちらの声が届かず、ホテルから電話にかけてもかからず、仕方なく妹にLINE(文字)でサポートに連絡してもらったものの「電源を長押ししろ」「充電してみて」「充電ケーブル変えてみて」「電源を入れたときの画面になんて出ますか」みたいなろくでもないサポート対応でにっちもさっちもいかない様子だったため、到着日の夜には「1人と言わず、2人ともSIMカード買わないとダメだねこれ」ということに。
翌日SIMを調達しにいったものの、ウォールマート側の問題で仕方なく近所のAT&Tで(まるでドコモショップのように)並んだ末になんとかSIMを購入、通話も通信もばっちりだということが確認できたころには昼過ぎでした。ひどい。
と、思わず無意味に恨みを書き並べる程度にはレンタルwi-fiに振り回されつつ、2,3日目に「代替機を送ります」と言われ、実際にMoabで受け取れたのですが、本当に……すぐに応対してくれれば3日目には受け取れていたのでは??と思うと本当に本当にもう。返金対応してもらえるそうなので、今後の改善に期待ですね。

Moabで受け取ったグローバルwi-fiがVerizon、私と妹の携帯に挿したSIMがAT&T、SLCからレンタカーにオプションとしてつけたナビのホットスポット機能は(確か)T-mobileだったと思うので、いい感じにキャリアは分散しました。
が、結論として、西部はだいたい何もかもダメでした。
オハイオにいた間はSIMはどっちも元気に通信できたのに、SLCから先はぷちぷち圏外になったり、もうずっと圏外だったり。
グローバルwi-fiもたまに電波的な意味で息を吹き返して親がポケモンを捕まえるための通信手段になったりしましたが、宿wi-fiがなかったら無理という局面の方が多かったです。
一部の地域では街ですら圏外なのは驚きました。

■手配方法
飛行機は自力で検索するには無理がある経路だったのでHISのカウンターで、レンタカーはHISのネット予約で(それぞれAlamoとHertzでした)、宿は一部は宿の公式サイトで直接、一部はHotels.comでとりました。
親が「10泊で1泊無料使えないの?」と言ったためのhotels.comでしたが、あれってスタンプ押されるの宿泊した時点なので、10泊分予約しても使えはしなかったというオチでした。

■ところで
現時点で7000字とかになってきたので観光しましたイエイな日記は別の記事にします。

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