FFXIVを新生から黎明の死闘まで読んで

夏の頭に急に始めて、寝ても覚めてもFF14みたいな夏を過ごしてきて、なんとか夏休みのうちに最新のメインストーリーまで全部読めた。メイン以外のお話で読めていないのは大迷宮とかLv80ジョブクエストの大半くらいか。

新生エオルゼア

新生のお話は「あーはいはい、ジェネリックなファンタジ~、まあオンラインゲームだしそんなもんだよな」って思いながら適当に読み流していた気がする。お話そのものが楽しくて遊んでいるというより、景色が綺麗で知らない世界を探検している感じが好きだったし、似たような地域へのお使いを頼まれる複数のクエストをいかに効率よくこなせたかで小さな達成感を得ていた。フィールドの上のザコ相手ですら死にまくり、ダンジョンに行けばとにかく人について行って一緒に攻撃することで精一杯だったのであんまり戦闘が楽しいという記憶はない。

ストーリーでクルザス中央高地にいるような時にベテランプレイヤーな友達に捕捉されてフレンドになった。ドラゴンヘッドまで会いに来てくれた時に嬉しかったことはこれからもずっと覚えている気がする。
このあたりから(それまでレベル上げの必要性を感じていなくて無視していた)ルーレットに毎日連れて行ってもらうようになったし、ルーレットの使い方をようやく理解したという感じ。

新生の頃からずっと思っていたし最終決戦(プラエ)で特に思ったのが「ストーリーですごい冒険者だと持ち上げられれば持ち上げられるほど、実際には自分がクリア済の野良の先輩の後ろをのこのこ歩いて目の前の敵をとりあえず攻撃してるだけなのが心苦しくなる」という卑屈な悲しみ。

第七星暦

第七西暦ストーリーから急にお話が盛り上がってきたと思ったら「ど、どういうことなの……」と呆然としながらイシュガルドに向かった、みたいな展開だった。
ショックを受けたプレイヤーの心に温かく匿ってくれるNPCの優しさがすごく沁みて「これまで筋肉フェチの変な人だと思ってて本当にごめん、お前いいやつだな…」ってなった。

蒼天のイシュガルド

蒼天に入った直後くらいに色んなクラスの装備が手に入るけれど使えるわけでもない状況に耐えられなくなって、全クラスを解放して上げはじめた気がする。討伐手帳で各クラスの必要な雑魚をリストアップしてフライングマウントで探して回った記憶がある、ような。冒険者小隊が使えるレベルまで育ったらとにかく黙々と周回した。
普通のダンジョンは自分が間違えたら人に迷惑を掛けるし、世の人々は労働のあとの貴重な余暇に楽しいことがしたくて遊んでいるだろうから、そういう人たちの遊びを邪魔するのは心苦しい。NPCを連れて行くダンジョンは最適化された動きをする人が誰もいないから攻略はゆっくりだし時間効率はきっと悪いけれど、私は気楽に全滅できる環境がとにかくありがたかった。

そんな甲斐があって、これがレベル上げを始めた6月中旬の頃の様子(前述のフレンドが君のギャザラーのレベル…wみたいなコメントするために撮ってたスクショ)

黙々と新生の低レベルIDを回してたら3日でここまで伸びた。

更に1位週間後くらい。友達に定期報告~とか言って送ってたおかげで記録が残っていて便利。

この2日後くらいに蒼天再開したはず。これ以後はあんまりレベル上げのために本編の進行を止めることはせずに済んで、クエストの経験値の割り振りを工夫したりルーレットに何を出すかで調整しながらなるべく足並みをそろえるように(できる範囲で)がんばった。

個人的にいい感じのバランスになった割り振りはこんな感じだった。
タンク:メインルレで育てる
ヒーラー:アライアンスと討滅などのヒラ2人系ルレで育てる
DPS:その他のルーレット、あとはクエスト経験値。特に一番必要なものをレベルレに、苦手なものは蛮族クエなどにするとストレスを最小化できる。
青魔道士:よくある「近所の通常雑魚をn匹倒してきて」系のクエストの倒す作業だけ青魔でやると、フィールド獲得経験値がバカの補正を受けているためにレベルがみるみる上がる。報告してもらえる経験値は他のジョブに回すとちょうど良かった。

蒼天のお話は第七星暦の時点で急激に世界に引き込まれていたため盛り上がったまま読み進められたし、ちょっとツイッターにも書いた気がするけれど「千年の恨みを人間も竜も抱えているけれど、世代を超えて受け継いできた人間と当事者がまだ生きてる竜の時間感覚の違い」という越えがたい溝と向き合うのがよかった。違う形の痛みだけれどお互いに痛みを抱えてるし、その連鎖を断ち切るために何をするのか、というお話。

その過程でプレイヤーにも痛みを与えてくるのがとてもこう、大事になったキャラクターを、こう……。人によってはもっと屈折した育ち方をしてもおかしくない生まれでも真っ直ぐで情に厚い騎士として生きた強さを、絶望の中でいなくならずにいてくれた優しさを、そんな人に託された思いを、私はこの先のストーリーでもずっと思い出し続けてました。

紅蓮のリベレーター

蒼天に比べるとお話のインパクトは少なかった気がしているけれど、これは私が頭イシュガルドなだけかもしれないので個人差はあると思う。
帝国に植民地化されたふたつの地域の独立運動を手伝っていくというお話で、現地の人々の様々な立場の思いを見るのは非常によかった。帝国の支配に従うことで家族や民族を守る人、元々故郷に居場所がなかったから帝国に壊されるのがちょうどいい人……全員が「帝国をやっつけよう!おー!」だったらつまらないお話だったと思うけれど、そうじゃなくて、華々しい英雄の活躍や苦々しい敗戦の影には一般人が必死に守る日常があるという生活感が見えてよかった。
属州人としての立場向上のために必死で武功をあげようとするフォルドラと、家庭環境の復讐を続けるヨツユの対比が良かった。フォルドラは戦後も掘り下げされてよかったなと思った。
紅蓮全体を通じたラスボスのはずのゼノスについては漆黒まで済ませた今となってもなんでああいう精神性なのかいまいち分からなくて、とにかく話を聞いてくれない一方的なストーカーという印象になっているのがとても残念。きれいな顔してて声も鳥海さんという私の好きそうな組み合わせなのに、私の理解や想像が及ばないせいでぐっとこないのがとても惜しい。

戦後編で記憶喪失のツユちゃんとおじちゃんの「おっさんようじょ」感がとてもよかった……実際は「美女とおじいちゃん」なんだけども。ずっとあのままでいられたらどれほど良かったか。

一定以上のプレイ時間がある場合、紅蓮が終わった時点で若葉マークがとれるため、紅蓮で追加されたアライアンスやレイドをしっかり若葉つけたまま終わらせてから漆黒に向かうようにした。

漆黒のヴィランズ

蒼天とどっちか好きか判断に迷うレベルでよかった。
紅蓮から漆黒に向かう時期にばたばた倒れていく暁のメンバーを見て「これは新章に向けて登場キャラクターを入れ替えるためのシナリオの都合?!」と内心びびっていたけれど、蓋を開けてみたらむしろ登場させるためのシナリオの都合だった。
英雄扱いでワッショイされる原初世界と違ってまた1から腕前への信頼を築き上げる必要のある世界での冒険は新鮮だった。
滅びゆく世界で生きようと抗う人々の街、滅びを受け入れて最後に楽になりたい人々の街、いずれ人でなくなる隣人も最後までいたわりながら見送る人たちの街、どれもとても印象的だったし、世界が終わる時の人の反応として理解できるものだった。
光をごぼごぼと吐いて変異してしまう様子を初めてみたときは衝撃的で、それまでの人としての思いも信念も全てエーテルの乱れに掻き消されてしまうのがあまりにもつらかった。黒魔や白魔のジョブクエストなんかでよく見るヴォイドだの妖異だのというのも闇に飲まれた別世界の住人だと聞いてぼんやり理解したつもりになっていても、光に飲まれて人ならざるものになってしまうのを実際に目で見るとあらためて事態のむごさが染みる。
そしてホルミンスターをクリアした直後に「大罪喰いを倒しても光の加護で大丈夫って言ってるけど、これもし水晶公の仮説が違ってたら大変だよね、罪喰い化してゲーム終わるじゃん。笑」とかのんきに私は言ってたわけですが……。

イルメグがふわふわかわいいだけの妖精郷じゃないのがとてもよかった。妖精って人の理の外にあるから恐ろしいものだよねという認識を他の作品からも与えられてきているので、ここでもそういう美しくも恐ろしい妖精存在が見られて私は嬉しい。
100年前は人が住んでいた水没都市というのもロマンがあったし、かつて自らの民を守って大罪喰いを倒すために戦った女王が次代の大罪喰いとして幽閉されているというのも美しい悲しみがあってよかった。

ラケティカ大森林でついにヴィエラの村が!と感動してたら本格的に光の加護が実はそこまで万能じゃなさそうというのでのんきに感動している場合じゃなくなってきた気がした。

↑ここまで黎明の死闘まで読んだ直後に書いて放置してた。今は2022年の5月末(暁月6.1まで読破済み)です。

思い出しながら続きを書くけれど、エメトセルクが語る古代人の思いと現代人の存在を等しい命として扱えない気持ちは想像すれば理解できてしまったので、自分たちに大義があると断言できなくてつらい気持ちになった。かといって今ある命と思いをはいそうですかと差し出せるわけでもなく。圧倒的にスペックの高かった古代人が乗り越えられなかった終末を現人類がどうにかできるのか?というのは非常に悲観的な思いになった。

水晶公がどれほどの思いで遠い未来から我々の現在を変えるために第一世界の過去に飛んだのか、というのは非常にしみた。何世代もの思いを託された人が、我々に現在を託すために異世界で耐えた歳月の重み……。

今ぱっと思い出せるのはこんなところ?とりあえず一旦ここらで筆を置く。

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